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【医師監修】クールタッチレーザーはニキビやシワに効く?副作用・デメリットはあるの?

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北條医師

この先生が監修しました

今川 孝太郎 先生

経歴

1998年 東海大学医学部卒業

2013年 RDクリニック勤務

所属

日本形成外科学会 専門医・評議員

日本頭蓋顎顔面外科学会

日本マイクロサージャリー学会

日本レーザー医学会 専門医

日本褥瘡学会

日本熱傷学会

RDクリニックのサイトでプロフィールを見る

株式会社セルバンクは特定細胞加工物製造事業者として、再生医療の普及活動を行なっており、その一環として関連する医療・美容情報につきましても発信しております。本記事でご紹介している内容にはお取り扱いがないものも含まれますが、肌再生をはじめとする再生医療の専門企業として情報を掲載しております。セルバンク製の細胞を使った再生医療では、顔全体・首・手などの肌のアンチエイジング治療ひざ等の関節の痛み(変形性膝関節症)の治療豊胸・乳房再建などの治療が可能です。
Contents
  1. クールタッチレーザーとは?
  2. クールタッチレーザーでのニキビ治療
  3. クールタッチレーザーの副作用やデメリット
  4. クールタッチレーザーによる治療可能部位と持続時間
  5. 治療可能部位と持続期間

クールタッチレーザーとは?

クールタッチレーザーは、米国CoolTouch社が製造している単一の波長(1320nm)を持つロングパルスのNd:YAGレーザーを用いた低温度のレーザー治療機器です。

クールタッチの特徴は、レーザー照射とほぼ同時に皮膚を冷却することで痛みを和らげ(個人差はありますが、ゴムを伸ばして手に当てる程度の痛み)、皮膚表面の損傷を防ぎ、ダウンタイム(回復期間)なしで治療が可能なことです。

また、温度センサーで常に皮膚温度をモニタリングしており、火傷等のリスクを最小限に押さえることも出来ます。

今や美容界において欠かせない存在となっているレーザー治療。アンチエイジングや美肌、美白にニキビ治療、脱毛等、様々な目的で利用されています。

「青春のシンボル」と言われる思春期のニキビ。大人のニキビはアダルトニキビや吹き出物、なんて言われ方をしますが、両者とも医学的には“尋常性ざ瘡”という慢性の皮膚の病気です。やがて治る…と放っておくと、クレーターのように凹んだ「ニキビ痕」の原因になってしまうこともあります。

一度できてしまうと治りにくいと言われている凹んだニキビ痕は心理的ダメージも少なくありません。そんなクレーターのように凹んだニキビ痕の改善を得意とするレーザー治療機器があります。それがクールタッチレーザーです。

クールタッチレーザーでのニキビ治療

ニキビはなぜできる?

ニキビは、れっきとした肌の病気です。毛穴がつまり、そこにアクネ菌が繁殖し、炎症を起こすことでニキビが生じます。

毛穴には皮脂腺があります。皮脂腺から分泌された皮脂には、皮膚に潤いを与え保護する作用があります。

しかし、毛穴から皮膚の表面に出ていく際、毛穴の出口が詰まっていると皮脂がスムーズに流れ出ず、炎症を起こしてしまいます。その結果、ニキビができてしまうのです。

毛穴の出口が詰まる要因としては、

  • ・皮膚のターンオーバー(表皮が垢として剥がれ落ちる代謝のサイクル)の乱れによって古い角質が溜まることで毛穴が詰まる
  • ・肌の乾燥・日焼けによる肌の新陳代謝の低下
  • ・ホルモンバランスの乱れによる皮脂分泌の活発化によって皮脂が毛穴に溜まる

等が考えられます。

毛穴の詰まり以外にも、遺伝的素因やステロイド剤の内服など、様々な要因によってニキビができると考えられていますが、ニキビは一度できてしまったら、いかに早い段階で進行をストップさせるか、が、綺麗に治す重要なポイントと言えます。

ニキビの進行の段階とニキビの種類

毛穴に皮脂が詰まっただけの初期のニキビを始めとして、炎症を起こして赤く腫れあがった重症のニキビ、その後の炎症による色素沈着、皮膚組織の破壊によるニキビ痕に至るまで、ニキビには段階があります。

  • 白ニキビ(閉鎖面疱)

    最初の段階。毛穴に皮脂が詰まり、患部が薄い皮膜で覆われ表面が閉じている状態。発疹は白~乳白色。

  • 黒ニキビ(開放面疱)

    少し進行。皮脂が盛り上がって毛穴が開き、ニキビ患部の被膜が空気にさらされ、酸化して黒っぽく変色した状態。

  • 赤ニキビ(紅色丘疹)

    さらに進行、悪化した状態。毛穴に詰まった皮脂に雑菌や細菌が繁殖し、炎症を起こして患部の周りが赤く腫れあがった状態。

  • 膿ニキビ(膿疱)

    炎症とともに内部が化膿して膿んでいる状態。

  • 嚢腫

    さらに炎症が進行。毛穴の壁が破壊され、皮下に膿の溜まり(嚢腫)ができる。

  • 硬結

    炎症の慢性化により皮下に硬いしこりができる。

  • ニキビ痕(瘢痕)

    強い炎症がおさまった後、皮膚内の組織が収縮して硬くなり、皮膚の表面が陥没した状態(ニキビ痕)

クールタッチレーザーによるニキビ治療は、赤ニキビのでき始めの比較的早い段階(ニキビが赤みを持った凹凸状態や、活動中のニキビ・炎症後の色素沈着が混在する状態)のうちに治療をスタートさせるとより早く改善が見られると言われています。

レーザー療法による皮脂腺の破壊

クールタッチレーザーに搭載されているロングパルスのNd:YAGレーザーは、工業用のレーザーとして発展し、その後医療用として広く使用されている代表的なレーザーです。YAGとは、イットリウム・アルミニウム・ガーネット (Yttrium Aluminum Garnet)を用いた固体レーザー※1)のことで、それぞれの頭文字をとり「YAG」と言われています。

Nd:YAGレーザーには、 1064nm、1320nm、1440nmなどの波長があり、ニキビの治療には、1064nm, 1320nmの波長を使用することが多いです。

Nd:YAGレーザーは皮膚科領域ではシミ治療や脱毛での使用が一般的です。その特徴として、深達性に優れており真皮までレーザー光が到達することです。波長が短いレーザーよりもメラニンへの吸光度は下がりますが、ダメージがないわけではなく、安全ではありません。現に1064nmの波長はメラニン系疾患の蒙古斑に使用されています。なお表皮のダメージを抑えているのはクールタッチの場合、冷却装置があるからです。血液中の酸化ヘモグロビンにも吸収される等の特徴があり、皮膚科(ニキビ治療)・形成外科(下肢静脈瘤の治療)領域でも一般的に使われるようになりました。

「パルス幅」という言葉は、レーザーを一発を打つのに要する時間を意味します。

この時間がミリ秒であるレーザー機をロングパルスレーザーと呼び、ロングパルスのレーザーは、長い時間をかけてローストするように、ゆっくり、じんわりと組織にエネルギーを入れるため、1回の治療の効き方は穏やかですが、色素沈着や腫れなどの副作用がほぼ出ないといったメリットがあります。

皮脂腺を対象とするレーザー療法では、クールタッチレーザーの1320nm-Nd: YAG レーザーを使用することで、真皮深層にまで分布している皮脂腺へレーザーを到達させることができ、冷却装置により表皮にダメージを与えずに皮脂腺を破壊し、ニキビを治療します。

過去に、ニキビ患者に1320nm-Nd: YAG レーザーを、顔の半面に3回照射するという治験が行われた結果、未処理の皮膚に比べて、治療を行った半顔では、黒ニキビ(開放面疱)の数が、一時的ではあるが統計的に有意な改善が確認されました。

赤ニキビ(丘疹)または膿疱の平均数の変化に関しては、処置群と制御群の間に有意な差はなかったものの、脂性肌の改善は見られたとの報告があります。

クールタッチレーザーは痛みが少ないとも言われていますが、ニキビ治療に関しては治療中に痛みが出やすく、多くの場合が皮脂腺を破壊するのに十分な出力を出すことが困難となり、効果も高いとは言えず、ニキビ自体の治療というよりは、ニキビ痕の凸凹肌の改善に使用されることが多いようです。

クールタッチレーザーによるニキビ痕への治療

陥没したニキビ痕にクールタッチレーザーを照射すると、皮膚の内部(真皮乳頭層)は熱ダメージを受けます(火傷と同じ状態)。

負傷した細胞を修復するため、真皮層の線維芽細胞は活動を活発化させ、コラーゲンやエラスチンなどの肌に有効な成分を新たに作り出します(創傷治癒)。これによりニキビの炎症によって収縮し、硬くなった皮膚の再生が行われ、陥凹した部分は盛り上がり、ニキビ痕が平らになります。

また、ニキビ跡に皮膚が赤くなる「炎症後紅斑(えんしょうごこうはん)」と呼ばれるものがあります。ニキビの炎症で毛細血管が新生、拡張することで起こります。膿を伴う大きなニキビでは、ニキビが潰れた際に出血し、赤血球が血管外に漏れ出すことで、赤い色素沈着となることもあります。

通常、拡張した毛細血管は、炎症が治ると少しずつ退縮していき、皮膚代謝(ターンオーバー)で色素沈着も徐々に薄くなりますが、炎症が真皮にまで及ぶと毛細血管が退縮せずに残ることがあります。

クールタッチレーザーはこのようなニキビの炎症によって引き起こされた肌の赤みの改善へも対応できます。真皮の深部まで届くレーザーが毛細血管を退縮させ、赤みを少しずつ減らしていきます。

治療の効果については個人差はありますが、2週間に1度の治療で10回ほどで効果が出てくる人が多いようです。

レーザーによる熱エネルギーで真皮線維芽細胞によるコラーゲン生成を活発化させるため、クールタッチレーザーは、ニキビ痕の凸凹の改善以外にも、軽度のしわの改善や毛穴の開きにも効果がある治療法です。

クールタッチレーザーの副作用やデメリット

  • ニキビには痛みが強い
  • 1度の施術では効果が期待できず、2~3週間おきに、4回ほど治療を行うことが多い。
  • 新しいレーザー治療機の登場により、美容の分野では今はあまり使用されていない。

クールタッチレーザーは、低温度で行うレーザー治療のため、レーザー出力も非常に低く設定されています。さらにクールタッチレーザーの施術は、レーザー照射と同時に冷却ガスを噴射することで、火傷などの副作用の可能性も、従来のレーザー治療と比べると極めて低いとされています。

しかし、通常のレーザー治療と同様に、火傷や、赤みが発生する他、患部にかさぶたができることもあります。また、クールタッチレーザーは1度の施術ではすぐに効果が期待できず、2~3週間おきに、4回ほど治療を行うことが多いようです。

クールタッチレーザーのような、いわゆる“痛みが無い”と言われるレーザーは、施術者が痛みが出ないように調整して照射をしています。

医師の技術や経験、料金や回数など効果に見合った治療内容か等、十分に考慮して治療をすることをお勧めします。

クールタッチレーザーによる治療可能部位と持続時間

クールタッチレーザーが最も効果を発揮するのは凹んでしまったニキビ痕の改善と言われています。

一般的な加齢に伴う毛穴の開きやシワ、たるみへの改善への効果は薄く、シワやたるみ改善を目的として利用するというよりは、ニキビ痕やニキビ後の赤みの治療とし利用した結果、治療部位周辺のお肌にハリが出てくる程度だと考えていいでしょう。

レーザーによるアンチエイジング目的の治療は、どれも一時的な対処療法です。効果は継続的ではなく、コラーゲンを生成する真皮線維芽細胞を強制的に働かせることで一時的に肌のハリを取り戻しているにすぎません。

治療可能部位と持続期間

治療の効果やどんな副作用があるのか、持続効果はどのくらいなのか。クールタッチレーザーの気になる点をご説明いたします。

クールタッチレーザー 肌の再生医療
ほうれい線
顔・たるみ
シワ・若返り
上まぶたのくぼみ
・三重まぶた
×
目の下のクマ・シワ ×
スキンケア
持続時間 半年 根本治療(数年以上)

肌の再生医療は、ご自身の皮膚から細胞を抽出し培養して増えた細胞を、肌の老化の気になる部分に移植することで「若返り効果」「抗老化」が期待できる治療です。

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Skin Regenerative Medical Treatment
シワ・たるみの根本治療
肌の再生医療とは?

肌の再生医療は、あなたのお肌の “時間” を巻き戻し、若返らせることができる治療法です。あなたの細胞を増やし、肌本来が持っている力を回復させ、極めて自然にシワやたるみを改善します。今の元気な細胞を凍結保管し、未来の自分に使うこともできます。

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